起業に固定電話は必須？開業で固定電話がないデメリットとは

近年、起業の流れやサポート体制も充実しており、起業家にとっては好ましい環境が整っています。

さまざまな支援プログラムやスタートアップコミュニティが存在し、情報やノウハウを共有することもできます。何かやってみたいことがある人にとって、自分の手で会社を作るということは良い選択肢と言えるでしょう。

起業するにあたって、色々と準備すべきことがあります。そのうちの一つが電話番号です。手持ちの携帯電話をそのまま流用しよう…と考えている方もいらっしゃる方も多いことでしょう。

しかし、世の中の多くの企業では未だ固定電話の番号が使われているため、起業に固定電話は必須なのかとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は起業に伴う固定電話の必要性とケース別に固定電話の導入方法をご紹介します。

起業したときに固定電話は必須？いらない？

冒頭で話した通り、起業時に固定電話を導入すべきか否かでお悩みの方は多いでしょう。固定電話を導入するとなると工事が～といった面倒なイメージもあるため、二の足を踏んでいる方もいらっしゃるはずです。

結論から言うと、起業する際には固定電話の導入を強く推奨します。理由は端的に述べると、企業としての信頼性に直結するからです。

起業する際には、ホームページや名刺、会社の登記登録など、さまざまな場面で電話番号が必要になります。そのため、会社専用の電話番号を用意する必要性が出てきます。

近年では、スマートフォンの普及により、携帯電話を会社の専用番号として利用することで費用を抑えるケースも増えています。P電話の普及により、050番号もよく目にするようになりました。

しかしながら、ビジネス上ではまだまだ市外局番の固定電話のほうが会社としての信用度が高いという声も多くあります。

顧客から見ると、市外局番がわかる固定電話番号のほうが会社の所在地や本人性が明確であることを示すため、050番号や携帯電話番号よりも良い印象を与えます。

また、法人として銀行口座を開設したり融資を受けたり法人用のクレジットカードを作る際には、固定電話の有無が審査のチェック項目となることがあります。

固定電話の番号があれば、固定電話の有無が審査に影響するかもしれないと心配する必要がありません。

このように、顧客や金融機関などからの信用度の観点から、起業する際に固定電話を導入すべきと言えるでしょう。

起業時に固定電話がないデメリット

起業の際に固定電話を導入すべき理由についてご紹介しましたが、固定電話を導入しなかった場合には一体どのようなデメリットが生じるのでしょうか。

具体的には、以下のようなデメリットが生じます。

各デメリットについて、以下順にご説明します。

会社の信用度が下がる

会社を経営するにあたって、固定電話は必ずしも必要ではありませんし、代表電話番号も必須というわけではありません。

しかし、世の中では「代表電話番号があることで信頼できる会社である」というイメージが一般的です。

顧客からの信用度は、ビジネス上最も重要なポイントといっても過言ではありません。特に日本はこの点をより重要視する傾向にあります。

そのため、会社の信頼性を下げないよう固定電話を導入すべきと言えるでしょう。

法人登記が困難になる

法人登記を行う際、固定電話の番号がないと変更手続きが難しくなることがあります。

法人登記では携帯電話やIP電話の番号も登録可能ですが、携帯番号で登録すると、番号が変わるたびに登記の変更手続きが必要です。

登記手続きは非常に面倒で、多くの書類が必要ですので、変更手続きを繰り返す可能性が高くなります。

また、将来的に会社用の固定電話番号を取得する予定がある場合も、その際にも登記の変更が必要となり、再び手間がかかります。

そのため、申請費用や手間を避けるために、法人登記時には一般的に固定電話の番号が利用されることが多いです。

プライバシーがなくなる

個人の携帯電話番号をホームページや登記に掲載すると、個人の携帯に多くの営業電話がかかってくることになります。

こうした営業電話が個人の携帯に直接かかってくるのは不快なものです。

また、固定電話を廃止し、私用の携帯電話番号を業務用として使用する場合、顧客に個人の電話番号を知られてしまうことになります。

これは個人情報保護の観点からも適切ではありません。

起業時に固定電話番号を安く導入する方法はある？

市外局番がついた固定電話の番号は、企業にとって社会的信用が高いため、ビジネスで利用する際には導入しておくことが望ましいです。

ただし、固定電話の導入には高いコストがかかるため、その導入をためらう企業もあるでしょう。

そこで、固定電話をできるだけコストを抑えて設置する方法を以下3つ紹介します。

以下順に各方法の特徴についてご紹介しますので、是非参考にしてください。

①中古の電話加入権を購入する

中古の電話加入権を購入すると、固定電話の設置費用を抑えられます。

電話加入権は、NTT東日本・西日本の加入電話の利用に必要な権利です。かつてはアナログ回線が主流であり、固定電話を導入する際には電話加入権が必須でした。

しかし、近年ではスマートフォンの普及により、固定電話を解約する人が増えています。その結果、中古の電話加入権がインターネットなどで販売されるようになりました。

中古の電話加入権は、新規契約と基本的には変わらず、同じ権利として使用できます。したがって、中古の電話加入権の購入により導入費用を削減することができます。

②クラウドPBXやIP電話を導入する

近年、企業においてクラウドPBX※や、インターネットを通じて通話するIP電話の導入が進んでいます。

• クラウドPBXとは、クラウド上に内線電話システムのPBXを構築した電話サービス。

これらのシステムはインターネット回線を利用して通話を行うため、配線工事が不要であり、低コストで導入できるというメリットがあります。

また、回線数を増減する際やオフィスレイアウトを変更するときにも手間がかかりません。

クラウドPBXやIP電話のもう1つの利点は、スマホに専用アプリをインストールすれば、外出先からでも固定電話番号を使って発着信が可能なことです。

さらに、サービスによっては、「03」などの市外局番付き電話番号を取得することもできます。

このように、柔軟性と利便性が高いクラウドPBXやIP電話は多くの企業に選ばれています。

③光コラボレーションサービスを導入する

光コラボレーションサービス※を申し込むことで、工事費用や月額料金を抑えて固定電話を導入できるケースがあります。

• 光コラボレーションサービスとは、NTT東西より光回線を卸受けた「光コラボレーション事業者」が提供する光回線サービスです。代表的なサービスとしては「ドコモ光」や「ソフトバンク光」が該当します。

NTTやauなどの通信回線事業者で固定電話を導入すると、導入費用が高額になりがちですが、光コラボレーションサービスの場合は、工事費免除などの独自キャンペーンを行っている場合が多々あります。

また、多くの光コラボレーションサービスでは固定電話とインターネットがセットで提供されるため、月額料金も個別でそれぞれ契約するよりも安価な傾向があります。

光コラボレーションサービスは世の中に数多くありますが、事業者独自のサービス（携帯電話や生活インフラなど）と組み合わせて販売しているケースが大半です。

そのため、先ずは自身が既に契約しているサービスが光コラボレーションサービスを提供しているか確認してみましょう。

起業におすすめの固定電話サービス

起業時に固定電話が必須な理由と、安く導入する方法についてご紹介しました。ここからは具体的におすすめの固定電話サービスをご紹介します。

固定電話サービスは数多くありますが、起業時におすすめの固定電話サービスには以下のようなものがあります。

これらのサービスはコストパフォーマンスや機能面で優れており、特にスタートアップや中小企業に適しています。

各サービスの特徴について、以下順にご説明します。

テレワープ光

株式会社フォレスタが提供する「テレワープ光」は、“圧倒的な低コスト”と“固定電話が発信・着信できるスマホアプリ”が魅力的な光コラボレーション（光回線）サービスです。

OFFICE PHONE

株式会社ベルテクノスが提供するOFFICE PHONEは、中小企業、個人事業主、そしてコールセンターに至るまで、幅広く利用されているクラウドPBXサービスです。

MOT/PBX

株式会社バルテックが提供するMOT/PBXは、次世代型のビジネスフォン（IP-PBX）です。大規模オフィスやコールセンター向けに設計されています。

03plus

株式会社グラントンが提供する「03plus」は、主要46都市で市外局番付き電話番号の取得が可能なクラウドPBXです。

別途電話回線の契約が不要で、コスト削減と一元化が可能です。アプリをスマホにインストールするだけで簡単に導入できます。

費用は、1台の場合で導入費用が5,000円、月額費用が980円と、従来のPBXよりも格安です。

30以上のID数の申込みもリーズナブルで、電話関連業務のコスト削減を検討している方におすすめです。

さらに、03plusは豊富なオプションサービスを提供しています。例えば、1通話あたり10分まで無料の「10分かけ放題プラン」は、短時間の通話を頻繁に行う場合に通話料の大幅な削減が可能です。

他にも、Web電話帳、クラウドFAXなどのオプション機能が充実しています。これらの機能を追加することで、自社の業務を効率化することができます。

固定電話の番号だけ欲しい場合

ここまで起業におすすめの固定電話サービスについてご紹介しました。

しかし、起業をお考えの方の中には「固定電話自体は必要ないけれども、固定電話の番号だけは欲しい」という場合もあるでしょう。

固定電話の番号だけを取得したい場合には、「固定電話番号を取得できるスマホアプリを利用する」のがおすすめです。

固定電話番号を取得できるスマホアプリを利用する

050番号から始まるIP電話やクラウドPBXなどのサービスを利用すれば、オフィスに電話回線を設置する必要がなくスマホアプリだけで固定電話番号を運用することが可能です。

さらに、スマホは持ち運びができるため、オフィス内だけでなく、外出先でも固定電話の番号を使って電話をかけたり受けたりできる点も大きな利点です。

固定電話番号を取得できるアプリには、03plus、MOT/TEL、ナイセンクラウドなどがあります。

予算などから最適なスマホアプリサービスを選びましょう。

まとめ

今回は、起業する際に固定電話が必要な否かについて取り上げてみました。内容をまとめると、以下の通りです。

是非この記事をもとに、起業時の固定電話について導入するか否かを検討してみてください。