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これからビジネス用に電話回線を選ぶとき、どの電話回線がいいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
電話回線は複数の種類があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。各回線毎のメリットやデメリットが分かれば、安心して導入できるでしょう。
それでは、電話回線の種類におけるメリットやデメリットなどについて、ご説明します。
電話回線の種類は、大きく分けて以下の5種類です。
それぞれの回線にはさまざまな特徴やメリット・デメリットがあるので、それぞれ比較して自社に合った回線を選ぶのがおすすめです。
アナログ回線とは、いわゆるアナログ電話のことで、昔から普及していた電話回線です。代表的なものとしては、NTT加入電話が該当します。
従来から事務所やお店などでも導入されている回線で、黒電話やピンク電話といえばイメージがつきやすいかもしれません。
そんな昔からあるアナログ回線のメリットとデメリットについてご説明しましょう。
アナログ回線のメリットは、以下の通りです。
それでは、アナログ回線のメリットについてご説明します。
アナログ回線は、何といっても安定した通話ができることが最大のメリットです。
インターネットを利用する他の電話回線と違って電話専用の回線のため、電波や通信環境の影響を受けず顧客と通話が途切れる心配がありません。
アナログ回線は停電や災害などの障害に強いことが他の回線にはない強みです。
インターネット回線を利用した電話回線の場合、停電が起きてしまうと通話ができなくなりますが、アナログ回線はそういった障害が起きても通話に影響しないのがポイントです。
モデムなどの通信機器を必要としないことから、周辺機器の不具合などを心配する必要性がありません。
アナログ回線のデメリットは、以下の通りです。
それでは、アナログ回線のデメリットについてご説明します。
アナログ回線は基本的に1つの回線につき1つの電話回線が基本となるので、複数利用ができません。
利用できる回線の数は他の回線の方が多いため、他と比較するとデメリットとなります。
アナログ回線は安定した通話ができることがメリットの1つですが、銅線を通って伝達される仕組みのため、通話する相手との距離が離れているほどノイズなどが発生して音声の品質が劣化する可能性があります。
県を跨いでも通話することはできますが、品質が劣化しやすくなるので注意しましょう。
アナログ電話は、通話相手との距離や通話する時間帯によって料金が異なり、距離が遠ければ遠いほど、時間帯が遅ければ遅いほど、通話料金が高くなります。
他の電話回線の場合は全国どの時間帯でも一律の料金のため、通話料金が高いのは大きなデメリットといえます。
ただし、アナログ回線を使ったNTT加入電話の場合は、2024年1月以降NTTの電話網がアナログ回線からIP網に切り替わり、通話料金は一律の料金に変更されます。
2024年からはアナログ回線のデメリットが1つ解消されますので、抑えておきましょう。
ISDN回線とは、サービス総合デジタル銅というもので、通常の回線を使用したデジタル回線です。
通話による音声データをデジタル変換して電話線で送受信する方法で、1回線で2つの電話回線が使用できるのが特徴です。
国内に広く普及している電話回線の一つですが、徐々に契約者数が減少しています。
それでは、ISDN回線のメリットとデメリットについてご説明します。
ISDN回線のメリットは、以下の通りです。
それでは、ISDN回線のメリットについてご説明します。
ISDN回線はアナログ回線と比べて通話の品質が良いのがメリットです。
アナログ回線は基本的に通話相手との距離が離れているほど音声の品質が劣化するデメリットがありましたが、ISDN回線はデジタル回線なので距離による問題が発生しません。
通話中に会話が途切れたり相手の声が聞こえにくくなったりすることがなく、ノイズも少ないので安定した通話の品質を求めるときにおすすめです。
ISDN回線は盗聴されにくいのもメリットです。
アナログ回線だと音声を電気信号で直接伝送しているので、不特定多数の誰かに電気信号をキャッチされてしまうと盗聴される可能性があります。
電話機はもちろんモジュラージャックや保安器など、音声信号が通過する場所であればどこからでも盗聴される恐れがあるでしょう。
しかし、ISDN回線は電話信号ではなく、音声をデジタル化してから伝送するため、もし誰かが盗聴されたとしてもノイズにしか聞こえません。
必ずしも盗聴されないとは言えませんが、それでも非常に聞き取りずらい音声に変換されているので安心して通話できます。
ISDN回線のデメリットは、以下の通りです。
それでは、ISDN回線のデメリットについてご説明します。
ISDN回線は光回線に比べて、通信速度が非常に遅いのがデメリットです。
電話をしながらインターネットができるのは大きなメリットではありますが、代わりに通信速度が非常に遅く、動画視聴やオンラインゲーム、Web会議などに多大な影響を与えてしまうでしょう。
参考までに光回線の通信速度が最大1~10Gbpsなのに対し、ISDN回線の最大通信速度は64kbpsしかありません。
つまり、光回線の1000分の1の通信速度しかありません。携帯電話の低速化モードより遅いため、メディアコンテンツが拡充している現代ではインターネットはほぼ使えない点に注意しましょう。
ISDN回線は契約者数の減少や設備の老朽化といった理由により、デジタル通信モードのサービスが終了します。
ISDN回線をインターネットに接続して使用している場合、サービス終了に伴って別の通信手段を確保する必要性があるので注意しましょう。
直収回線とは、NTT東日本・西日本以外の通信事業者が提供している固定電話サービスです。回線の内容としては、アナログ回線(NTT加入電話)と同様です。
直収回線はNTTが使用していない電話設備を使っており、多くの場合は基本料金と通話料金がNTTの固定電話サービスよりも安くなっています。
それでは、直収回線のメリットとデメリットについてご説明します。
直収回線のメリットは、以下の通りです。
それでは、直収回線のメリットについてご説明します。
NTTの加入電話を契約するときは電話加入権を購入しなければなりません。購入費用は30,000円以上で決して安くないので、導入をためらうところもあるでしょう。
しかし、直収回線なら電話加入権を購入する必要性がないため、導入コストが抑えられるのが大きなメリットです。
電話加入権が必要ないのは、NTTの通信設備ではなく、通信事業者がNTT不使用の設備を借りて独自サービスとして提供しているからです。
NTT不使用の設備といっても品質や機能はNTTの通信設備と遜色ないため、コストを削減しながら導入できます。
直収回線は、基本料金と通話料金がNTT加入電話の料金と比べて安いのがメリットです。
NTT加入電話と比較した基本料金と通話料金は、以下の通りです。
通信内容 | NTT加入電話 | 直収回線 |
---|---|---|
アナログ回線(3級) | 2,500円 | 2,350円 |
アナログ回線(2級) | 2,350円 | 2,200円 |
アナログ回線(1級) | 2,300円 | 2,050円 |
市内・市外の通話料金 | 8.5円~40円 | 一律7.9円 |
県外の通話料金 | 20円~80円 | 0円~48円 |
以上のようにNTTと比較すると直収回線の方が料金が安いため、通話する頻度が高いほどコスト削減の恩恵が得られるでしょう。
直収回線のデメリットは、以下の通りです。
それでは、直収回線のデメリットについてご説明しましょう。
今までNTTのアナログ回線でADSLのインターネット接続を利用していた場合、直収電話に切り替えるとADSLが使えなくなる可能性が高いです。
他の回線でも同じことが起こるかもしれないので、回線を切り替える前に契約しているインターネットサービスプロバイダーに問い合わせて、直収電話に切り替えてもインターネットに影響がないか確認しましょう。
とはいえ、ADSLは2024年にサービス提供が終了するため、終了に向けて別のサービスに乗り換えるきっかけになるかもしれません。
直収電話に切り替える場合、NTTの加入義務から解放されるので一部の番号に発信できなくなります。
緊急用電話番号の110や119は使用できますが、0120のフリーダイヤルが使用できなくなるので注意しましょう。
光回線は厳密に光電話(ひかり電話)というもので、光ファイバーケーブルを利用したIP電話サービスのことです。
従来の回線では電話線を使用しているのに対し、光電話は光回線を使用しているのが特徴です。多くの場合、インターネット用の光回線のオプションサービスとして契約しています。
さらに、NTT加入電話のように電話加入権を購入する必要性がないので、従来の固定電話よりも導入しやすく、月額料金や通話料金が安いのもありがたいでしょう。
それでは、光回線のメリットとデメリットについてご説明します。
光回線のメリットは、以下の通りです。
それでは、光回線のメリットについてご説明します。
光回線を活用する場合、現在使っている電話番号をそのまま使用できるのがメリットです。
電話機を買い替える必要性がなく、緊急用電話番号の110や119も使えるため、安心して契約することができます。
電話番号が変わるとすべての取引先に電話番号が変わった旨の連絡を入れなければなりませんし、電話機が変わるだけでも手間や時間がかかるでしょう。
そういった面倒なことが必要なくなるだけでも十分大きなメリットと言えるでしょう。
光回線は従来のアナログ回線やISDN回線よりも通信速度が早いうえに、インターネット回線を利用していますが、音声の品質が非常に高いのがメリットです。
アナログ回線よりもクリアな音質なので音声が途切れたり聞き取りにくかったりすることがなく、遅延も少ないのがポイントです。
光回線のデメリットは、以下の通りです。
それでは、光回線のデメリットについてご説明しましょう。
光回線の最大のデメリットと言えるのが、インターネット用の光回線を契約しないと光電話が利用できないことです。
光電話は光回線インターネットのオプションプランとして利用できるので、最初から光回線を利用しているならまだしも、利用していない場合はインターネットを含めて開通工事を申し込まなければなりません。
電話のみを利用することはできないため、光回線インターネットの月額使用料も含めた上で毎月のコストを計算しなければならないでしょう。
もう一つ致命的なのは、停電が発生すると光回線が使えなくなることです。
光回線はインターネット回線を利用している以上、通話にルーターが必要です。しかし、停電が発生するとルーターの電源も落ちてしまうので、光回線も使えなくなります。
IP電話回線とは、インターネット回線を利用して電話をかける方法のことです。光電話も同じくIP電話回線の一種ですが、今回は分けてご説明します。
IP電話回線を利用すると、以下のような流れで相手と通話します。
それでは、IP電話回線のメリットとデメリットについてご説明します。
IP電話回線のメリットは、以下の通りです。
それでは、IP電話回線のメリットについてご説明します。
IP電話回線は利用用途や規模に応じて、電話機などの接続台数をカスタマイズできますし、導入コストも抑えられるため、中小企業でも導入しやすいです。
IP電話回線の多くは、通話録音システムやWeb電話帳、顧客管理システムなどのさまざまな社内システムと連携できます。
かかってきた電話がどの顧客なのかを照合しながら通話できるため、業務効率化にはうってつけです。
IP電話回線のデメリットは、以下の通りです。
それでは、IP電話回線のデメリットについてご説明します。
アナログ回線や光回線などで電話番号を取得して使っていた場合、IP電話回線に切り替えるとこれまでの電話番号が使えなくなる可能性があります。
電話番号が変わると、顧客への通知やホームページの更新など面倒な対応を行わなければなりませんし、新しい電話番号で運用を整備するのも大変です。
電話番号が変わってしまうのは大きなデメリットと言えるでしょう。
光回線と同様に、停電が起きるとIP電話回線は使えなくなります。
IP電話回線はインターネット回線を使用しており、インターネットは宅内にある通信機器を通じて通信しているため、停電が起きて通信機器が使えなくなると電話ができなくなります。
IP電話回線の大きなデメリットとして、110や119といった緊急用電話番号やフリーダイヤルに発信できないことが挙げられます。
緊急用電話番号に発信することは中々ないでしょうが、いざというときに発信できないのは問題ですし、フリーダイヤルはカスタマーサポートセンターなどが多くの場合フリーダイヤルで案内しているため、発信できないとサポートを受けられない可能性があります。
常用する電話番号ではありませんが、発信できない番号がある点には注意が必要です。
IP電話回線はインターネット回線を通じた電話回線であるため、インターネット回線の通信状況に影響を受けます。
お昼時や夜間などといった多くの人がインターネットを使う時間帯では、通信混雑が生じて通話品質が低下する可能性があります。
電話専用の回線を使っているアナログ回線などはインターネットの影響を受けないため、IP電話回線特有のデメリットと言えます。
電話回線には複数の種類があるので、オフィスに合った電話回線を選ぶことが大切です。
音声の品質を求めるなら光回線やIP電話回線等がおすすめですが、通話の安定性を求めるならアナログ回線や直収回線等がおすすめできます。
上記でご説明した電話回線を比較して、自社に合った電話回線を選びましょう。