フリーダイヤルの料金の仕組み|番号保有者が料金を払う?

広告などさまざまな場面で見かけることのあるフリーダイヤル。電話なのにかけた側が通話料を払わなくていい、というのが最大の特徴ですが、なぜそうなっているのかちょっと疑問ですよね。本記事では、どういった仕組みでそうなるのかを簡単に説明します。

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二種類のフリーダイヤル

フリーダイヤル「0120」

電話番号が「0120」+6桁だったら、通話料は無料だとすぐに分かる人は多いのではないでしょうか。フリーダイヤルの認知度は9割を超えているそうです。通販番組やテレビコマーシャルなどでも、通話料無料と強調してくれているので、0120から始まれば、電話をかけても通話料はかかりません。時間もコールセンターの所在地までの距離も気にせずに電話することができます。

フリーダイヤル「0800」

0800+7桁の番号もフリーダイヤルです。0120に続く6桁の番号ではおよそ100万とおりの組み合わせしかありませんから、番号の付与を続けていれば枯渇します。そのためNTTは1999年に、0120に加えて0800から始まる番号もフリーダイヤルに加えました。ただし、こちらは0800に7桁の数字が続く番号です。1000万通りほどの組合わせがあります。

しかし、こちらは認知度が非常に低いようです。携帯電話番号の中には「080」から始まるものもあるので、それと紛らわしいということもあります。

認知度が低いため、0800を使ってほしい場合には、必ず通話料無料とか発信料無料のような表現で、発信者側には通話料が発生しないことを強調しているようです。

通話料負担は着信側、つまり、フリーダイヤル契約者

世の中には無料をうたったものが数多く存在しますが、無料で提供されているものは必ずといっていいほど、別のところで誰かがお金を負担しているもののようです。

フリーダイヤルの場合、発信者(固定電話または携帯電話)からフリーダイヤル契約者(必ず固定電話)までの区間の通話料を、フリーダイヤル契約者が負担しています。

高度電話サービス

フリーダイヤルと同時期にダイヤルQ2というサービスが人気を博していました。これはフリーダイヤルとは逆に、発信者側が通話料を負担するのに加えて、情報料も支払うという課金サービスです。例えば、電話で星占いの結果を聞かせてもらい、占ってもらった人から占い師の人にお金を支払う場合、電話とは別に送金する方法もありますが、NTTが代わりに徴収して、着信者(ダイヤルQ2の契約者)に支払うというのがこのサービスです。

ダイヤルQ2は0990から始まる番号を使っていましたが、2014年にサービスは終了しています。現在は災害募金サービスにこの番号が使われています。

こうしたサービスはかつて高度電話サービスと呼ばれていたようです。電話網の中には、通話の声などを運ぶ伝送路とは別に、共通線信号という制御情報をやり取りする裏のネットワークがあって、高度電話サービスはこの共通線信号ネットワークを駆使して提供されるのです。

つまり、発信者が0120から始まる番号をダイヤルすると、共通線信号ネットワークに接続されたデータベースに対して、この番号が割り当てられている普通の電話番号(0AB-J番号)は何番なのか問い合わせます。この契約者の番号が分かれば、電話網としては、契約者に着信させることができるわけです。

さらに、通話が終わったら通話料を計算して、通常は発信者の課金情報に追記しておいて、月に一回合算して請求する料金を計算するのですが、0120から始まった番号との通話については、発信者の課金情報は書き換えず、着信側に追加するという処理を行います。これも共通線信号ネットワークを使って実行されます。

フリーダイヤルの申し込み

フリーダイヤルを申し込むには、固定電話の契約がまず必要になります。この固定電話で使う番号と、0120番号を紐づけることになるのですが、そのサービスはNTTコミュニケーションズ(現在はドコモビジネス)が提供しています。

フリーダイヤルの申し込みは、同社のWebサイト(https://www.ntt.com/business/services/voice-video/freedial-navidial/freedial.html)から行うことができます。

フリーダイヤルというと大規模なコールセンターなどでの利用をイメージするかも知れませんが、1回線から契約可能です。つまり少人数のオフィスや法人でも導入して、電話による問い合わせや注文を増やすといった施策に利用できます。

小規模オフィスや商店のフリーダイヤルの課題

電話を出られる人がいないと無駄になる!

少人数で行っているビジネスでは、電話対応以外にもさまざまな業務があるので、常にオフィスや店舗に人がいるとは限らず、全員が方々を飛び回って仕事をしていることが多いかも知れません。そうしたオフィスや商店にフリーダイヤルを導入しても、営業時間中であっても誰も出ることができないという事態に陥っては、無駄になってしまいます。

スマホ内線化をしよう

そうした課題は、オフィスの固定電話を残して、社員のスマホを内線化することで解決できます。スマホにアプリをインストールして登録設定すれば、フリーダイヤルを割り当てた固定電話への着信を、数台のスマホでいつでもどこでも受けることができるようになります。

固定電話とスマホの間はIP電話の内線扱いなので、電話会社に支払う通話料は発生しません。詳しくは、ここ(https://www.telwarp.com/)からご覧ください。

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