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企業の電話窓口やカスタマーサポートセンターなどでよく見かける「フリーダイヤル」。
フリーダイヤルは、主に0120から始まる電話番号のことを指しますが、皆さんは具体的な通話料金の仕組みをご存知でしょうか。
通常電話は発信側が通話料金を負担しますが、フリーダイヤルならかけても通話料金が無料だと耳にしたことがあるかもしれません。
本記事では、フリーダイヤルの通話料金の仕組みがどうなっているのか、サービスの概要を踏まえてご説明します。
フリーダイヤルとは、NTTコミュニケーションズ社が提供する「着信者課金サービス」で、「0120」や「0800」から始まる計10桁の電話番号(フリーダイヤル番号+6桁)がフリーダイヤルに該当します。
元々は0120番号だけでしたが、番号の枯渇が懸念されたために1999年に0800番号が追加されました。フリーダイヤルといえば「0120」のイメージが強いですが、「0800」でも通話料金を気にせずに発信できます。
なお、フリーダイヤルだけでは、0120や0800から始まる電話番号のサービスを使えるわけではありません。フリーダイヤルは固定電話のオプションとしての位置づけのため、フリーダイヤルの利用には固定電話の契約が必要になります。
フリーダイヤルと似たようなサービスとして、ナビダイヤルというものがあります。
ナビダイヤルは、NTTコミュニケーションズ社が提供する電話番号オプションサービスで、「0570」から始まる計10桁の電話番号が該当します。
ナビダイヤルとフリーダイヤルの違いは、電話番号の体系の他、ナビダイヤルにはフリーダイヤルのような通話料無料などはなく、通常の電話よりも少々高めの通話料金が設定されている点でしょう。
企業はナビダイヤルを利用することで、全国のコールセンター拠点で同一の0570番号を受けることができ、その他高度な電話オプションも使えるため、フリーダイヤルのような通話料金の負担は避けつつ、番号統一したい場合に導入されています。
フリーダイヤルを設置している窓口などによく通話料金が無料という謳い文句がありますが、完全に無料の通話というわけではありません。
フリーダイヤルは前述の通り「着信者課金サービス」であり、発信者(固定電話または携帯電話)からフリーダイヤル契約者(必ず固定電話)までの区間の通話料を、フリーダイヤル契約者が負担しています。
つまり、本来発信者側が負担すべき通話料金をフリーダイヤルの契約者である企業や窓口が肩代わりしているわけです。
フリーダイヤルのサービス構成としては、大きく分けて以下の2つあります。
主体となる固定電話回線については、アナログ電話やひかり電話といった事務所やオフィスに設置されている電話回線となります。基本的にはフリーダイヤル宛に着信があると、この電話回線が着信します。
次にフリーダイヤルとしての着信者課金サービスですが、「フリーダイヤル契約者の固定電話回線」と「0120や0800の電話番号」を紐づけ、0120番号などがダイヤルされた場合はフリーダイヤル契約者側に通話料金を請求するサービスが提供されます。
フリーダイヤルの料金形態としては、「工事費(初期費用)」と「月額基本料金」、「通話料金」の3つあります。
工事費(初期費用)
費目 | 金額(税込) |
---|---|
サービス番号設定工事費 | フリーダイヤル番号毎に1,100円 |
着信番号設定工事費 | 着信先電話番号毎に1,100円 |
月額基本料金
プラン名 | 金額(税込) |
---|---|
プラン1 フリーダイヤル番号数課金 | フリーダイヤル番号毎に2,200円 |
プラン2 契約回線数課金 | 契約回線毎に1,100円 |
通話料金
費目 | 金額(税込) |
---|---|
固定電話番号からの着信 | 9.35円/180秒 |
携帯電話番号からの着信 | 11円/20秒 |
公衆電話からの着信 | 33円/60秒 |
フリーダイヤルの料金の仕組みを解説しましたが、実際にフリーダイヤルを事業者が使うメリットとしては、どのようなものがあるのでしょうか。
フリーダイヤルのメリットは、主に以下3つです。
それでは以下順に、フリーダイヤルのメリットについてご紹介します。
フリーダイヤルの1つ目のメリットは、発信者の通話料負担がなくなるため、新規顧客や既存顧客が問い合わせしやすくなる点です。
特に新規顧客からの問い合わせは、企業にとって大きなビジネスチャンスになります。少しでも問い合わせのハードルを下げられるフリーダイヤルの導入はメリットになるでしょう。
フリーダイヤルの2つ目のメリットは、0120や0800から始まる電話番号を全国の拠点で共通して使える点です。
通常であれば、各拠点は固有の固定電話番号しか発着信をできませんが、フリーダイヤルを契約することで、北海道の拠点でも沖縄の拠点でも同じ電話番号で発信・着信を行うことが可能になります。
また、フリーダイヤルのオプションには、発信者のエリアに応じて近い拠点へとルーティングする機能もありますので、電話番号を統一しつつ、対応の効率化を図れます。
フリーダイヤルの3つ目のメリットは、フリーダイヤルの導入によって企業や窓口のイメージ向上に繋がる点です。
フリーダイヤルは「通話料無料」のイメージが根付いているため、電話窓口をフリーダイヤル番号にしておくことで発信者は「顧客に負担をかけないよう努めている企業」というイメージを持ってもらえる可能性があります。
少なくとも、フリーダイヤル番号なら顧客に悪い印象を与えることはないでしょう。
ここではフリーダイヤルの申込方法について、ご説明します。
まずフリーダイヤルを申し込むには、固定電話の契約が必要になります。固定電話で取得した電話番号(市外局番)とフリーダイヤル番号を紐づけることになります。
固定電話の契約が完了次第、NTTコミュニケーションズ(現在はドコモビジネス)のフリーダイヤル申込サイトから手続きを行います。
ここでフリーダイヤル番号と紐づける固定電話の番号や、その他お客様情報などを入力することで申し込みが完了します。
より具体的な手続きについては、こちらの記事をご覧ください。
ここまでフリーダイヤルの料金の仕組みについて、詳しく解説してきました。
フリーダイヤルは着信者側に通話料金がかかることで、発信者は気軽に電話をかけられますし、着信者側も問い合わせ数の増加が見込めます。
発信者・着信者双方にとってメリットのあるフリーダイヤルについて、より詳しく知りたい方はあわせてこちらもご覧ください。