固定電話のメリット５選｜固定電話が利用され続ける理由とは？

1990年代からインターネットの利用が一般化し、現在の連絡手段としてはメールやチャットが当たり前になりました。

それに伴い電話の利用頻度は年々低下していき、電話するにも携帯電話を使うことが圧倒的に多くなっています。

そのような時代背景にもかかわらず、総務省の統計を見ると固定電話の加入者数は2010年が5750万、2020年が5280万と10%くらいしか減っていません。

固定電話が使われ続けている理由とは何でしょうか。それは固定電話にしかない唯一のメリットがあるからです。

そこで今回は、固定電話にあるメリットをご紹介し、なぜ固定電話が利用され続けているのかについて解説します。

固定電話のメリット５選

固定電話を持つことで得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に挙げられるメリットとしては、以下5つあります。

• 固定電話番号の心理的掛けやすさ
• 社会的信用度の高さ
• 複数人で対応できる
• FAXが使える
• 災害時でも繋がりやすい

各メリットの詳細について、以下順にご紹介します。

固定電話番号の心理的掛けやすさ

固定電話番号を持つことで、プライベートでもビジネスでも、他の電話番号よりも相手が電話をかけやすくなるのがメリットです。

市外局番付きの固定電話番号は、事務所や自宅の所在地が伝わりやすいため、相手に安心感を与えられます。

一方、市外局番がない電話番号の場合、事務所や自宅の所在地が分からず、警戒されることがあります。

社会的信用度の高さ

固定電話は社会的に信用されやすいこともメリットです。

通話する相手が携帯電話の場合、「架空のオフィスではないか」「本当に○○さんなのか」などと疑われるかもしれません。

しかし、固定電話から発信したり、固定電話で受信したりする場合、会社または自宅の正当性を信じることができます。

固定電話は特定の住所でしか使用できないため、この制約が所在地と契約者の信頼性の裏付けになります。

複数人で対応できる

固定電話は複数のメンバーで対応できる点が携帯電話とは大きく異なります。

固定電話番号は特定の端末に紐づかず、設定次第で親機や子機、またはPBXを利用している場合、その配下に設定された固定電話機で通話を受けることができます。

FAXが使える

固定電話を契約すると、FAXが使用できます。自宅や職場でFAXを使えるのは固定電話の大きなメリットです。

これにより、FAXを送るために毎回コンビニのマルチコピー機を使う手間が省けます。

最近ではFAXの利用頻度が減っていますが、依然としてFAXでのやり取りが必要な場合があります。その際に固定電話は必須です。

携帯電話番号ではFAXを使えないため、FAXを使う必要がある場合は固定電話の契約が欠かせません。

災害時でもつながりやすい

固定電話は災害時でもつながりやすく、緊急時の連絡手段として有効です。

固定電話は電話回線を使用しているため、電波の影響を受けずに安定した通話が可能です。さらに、機種によっては停電時でも動作する固定電話もあります。

災害が発生すると、多くの人は手元のスマートフォンを使って家族や友人に連絡を取ろうとします。

スマートフォンならニュース速報もすぐに確認できるため、利用者が急増するのも自然なことです。

しかし、携帯電話の回線が一時的に混雑し、通話ができなくなることがよくあります。

固定電話がないと困ること

「携帯電話があれば固定電話は必要ない」と思う方も多いかもしれません。しかし、固定電話を安易に解約したり導入を見送ったりするのはおすすめできません。

ここでは個人と法人のそれぞれの場合において、固定電話がないとどのような問題が起きる可能性があるかを説明します。

個人の場合

個人の場合で固定電話がないと、以下のような問題が生じます。

• クレジットカードの審査に落ちる
• フリーダイヤルにかけられない
• 緊急時の連絡手段が減る
• 就職（転職）活動の際に不利になる可能性がある 

法人の場合

法人が固定電話番号を取得していないと、個人の場合に加えて以下のようなリスクに注意する必要があります。

• 法人登記が煩雑になる
• 取引先に信用されにくい
• 仕事とプライベートの区別がつきにくい

固定電話を解約して後悔はするのか

固定電話を使わないと困ることについては説明してきましたが、特に問題ないと思われる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際に固定電話を解約して後悔する事例があります。以下に、そのような事例をいくつか紹介します。

古くからの知人とのつながりが薄れる

固定電話を解約して後悔する理由として、特に知人や親族との連絡が取りづらくなることが挙げられます。連絡先の変更は周囲にきちんと伝えましょう。

社会的信用が低下する

固定電話がないことで、社会的な信用を失う可能性があるという声も聞かれますが、現在では状況が大きく変わりました。

実際には、申し込み時には「確実に連絡が取れるように携帯電話の番号をお伺いします」というケースが増え、携帯電話の方が求められることもあります。

スマホは緊急時につながりにくい

先の大震災の際、携帯電話を使った安否確認の通話が集中し、回線がダウンしてしまうという事態が発生しました。一方で、アナログ回線を使った固定電話は、安定した回線を持ち、回線がパンクするリスクが低いことが挙げられます。

さらに、停電が発生した場合でも、電話局が無事であれば回線から電源が供給されるため、固定電話を使い続けることができます。

このような理由から、最近ではアナログの固定電話回線を新たに引く人が増えているようです。

子供の学校の連絡網に携帯電話の番号を載せるのが少し恥ずかしい

上記のような声も聞かれますが、実際、最近の学校の連絡網は携帯電話番号やSNSが主流です。関係者全員が情報を共有できるという理由から、SNSが積極的に導入されています。

固定電話番号を指定している学校はむしろ少ないといえるでしょう。

そのため、学校関係者とのやり取りにおいて、固定電話を解約することのデメリットはほとんどないと言えます。

まとめ

ここまで固定電話のメリットと、固定電話を解約した場合の問題点や後悔した事例についてご紹介しました。

特にビジネスシーンでは固定電話は必須アイテムになっており、総務省統計で示されるように加入者が減っていないことがその証左だと思います。

一方で、どこにいても電話に出られるという利便性から携帯電話を使っている場合があると思います。

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