携帯電話の普及率は人口比で213.9%※あり、誰もが当たり前に携帯電話を持っている時代です。便利な携帯電話が普及することで、固定電話の設置数は徐々に減少しています。
携帯電話の普及に伴い、固定電話の価値も大きく変わりましたが、ビジネスシーンでは固定電話の価値はまだまだ高い状態が続いています。それは固定電話を設置することでビジネスが有利に進む場面があるからです。
しかし、固定電話では連絡がすぐにつかないためにビジネスチャンスを逃すこともあるので、取り扱いに注意が必要なツールでもあります。
個人事業主が固定電話でビジネスチャンスをとりこぼすことがないように手助けする、電話代行サービスや転送電話サービスの使い方について調べてました。
総務省「2021年3月 電気通信サービスの契約数およびシェアに関する四半期データ」2021年6月発表より
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000220.html
個人事業主が固定電話を持つ意味
いつでもどこでも連絡を取ることができる携帯電話があるのに、電話のあるところでしか連絡を取ることができない固定電話を持つ意味はあるのでしょうか。
固定電話の持つメリット、デメリットについて解説します。
固定電話を設置するメリット
メリット① 社会的信用度が高くなる
固定電話番号があることは「仕事の拠点」となる場所があることの裏付けになります。そのため携帯電話に比べて、「社会的信用度が高い」とされています。
名刺や公式サイトに携帯電話番号しか記載されていないと、以下のような不安を感じる方もいます。
- この会社、本当にあるの?
- 信頼できる会社なの?
- 詐欺じゃないの?
- 連絡しても、つながらないんじゃないの?
メリット② 金融機関の審査がとおりやすくなる
金融機関から融資を受ける際に、固定電話があることで審査が通りやすくなる場合があります。
固定電話の有無が、審査項目にある金融機関もあるからです。ここでも「固定電話の信用度」が力を発揮します。
メリット③ 仕事とプライベートの区別がつけやすくなる
仕事専用の固定電話を持つことで、プライベート用の携帯電話に仕事の電話がかかってこなくなります。
仕事が終了し職場を離れると、電話対応をすることができないので、オン・オフのメリハリをつけやすくすることができます。
固定電話があるために起こるデメリット
デメリット① 電話を受けるための人員を配置しておかなければいけない
かかってきた電話に適切に対応が出来ないと、ビジネスチャンスを逃す可能性があります。
スピーディーに対応することは顧客との信頼関係を高めることにつながり、次のビジネスチャンス拡大につながるからです。反対に対応に失敗すると信頼を失い、ビジネスチャンスの喪失にもつながりかねません。
それほど電話対応は重要な仕事なのですが、外出や出張の多い業種の方はなかなか電話をとれる距離にいることができません。
電話によりもたらされるビジネスチャンスを逃さないためには、電話を受ける人員またはそれと同じ程度の機能が必要になります。
以前からある留守番電話機能は上記機能の1つではありますが、どうしても対応までにタイムラグが発生するので対策としては弱めです。
デメリット② 電話対応により作業が中断する
個人事業主の方はお仕事の作業に加え事務や経理、営業など多くの業務を1人でこなす必要があります。
電話対応のためにそのとき行っている業務を一時中断し、対応する必要が出てくるのです。電話対応する件数が多くなると、業務の進行が遅くなってしまいがちです。
固定電話のデメリットを解消するためにできる対策
対策① 電話番(人員)を雇う
電話対応してくれる人員を雇うことで、あなたが電話対応から解放される方法です。
対策② 電話代行サービスを利用する
電話対応をアウトソーシングするので、あなたは自分の業務に集中することができます。
対策③ 電話転送サービスを利用する
固定電話にかかってきた電話を、あなたの電話に転送し取りこぼしによるビジネスチャンスの喪失を防ぎます。
固定電話対策におけるメリット・デメリット
固定電話を設置することで生じるデメリットを解消するための対策ですが、やはりそれぞれにメリット・デメリットがあります。
対策 | メリット | デメリット |
---|---|---|
電話番を雇う | 業務内容を把握したうえで、電話対応ができる。 | 人件費がかかる。 指導に時間がかかる。 退職のリスク(急にやめる可能性がある)。 |
電話代行サービス | ビジネスチャンスの取りこぼしを防げる。 電話応対のプロを安い経費で雇える。 | 電話応対ができる範囲に限りがある。 業務内容を把握したうえで、電話応対しているわけではない。 |
転送電話サービス | ビジネスチャンスの取りこぼしを防げる。 直接電話を取れるので、素早い対応ができる。 | 電話対応を電話転送を受けた人が行う必要がある。 電話の転送に、電話料金が発生する。 直接転送された電話を受けるので、業務の中断が発生する。 商談や移動中には電話対応が出来ない。 |
対策 | メリット | デメリット |
---|---|---|
電話番を雇う | 業務内容を把握したうえで、電話対応ができる。 | 人件費がかかる。 指導に時間がかかる。 退職のリスク(急にやめる可能性がある)。 |
電話代行サービス | ビジネスチャンスの取りこぼしを防げる。 電話応対のプロを安い経費で雇える。 | 電話応対ができる範囲に限りがある。 業務内容を把握したうえで、電話応対しているわけではない。 |
転送電話サービス | ビジネスチャンスの取りこぼしを防げる。 直接電話を取れるので、素早い対応ができる。 | 電話対応を電話転送を受けた人が行う必要がある。 電話の転送に、電話料金が発生する。 直接転送された電話を受けるので、業務の中断が発生する。 商談や移動中には電話対応が出来ない。 |
電話代行サービスでできること
電話代行サービスでは事業所の固定電話にかかってくる電話の応対を、外部の業者のオペレーターがかわりに行ってくれます。
一般的なサービス内容はかかってきた電話にオペレーターが応対し、用件をメールやチャットなどで依頼主であるあなたに報告してくれるオプションとして、電話番号の貸し出しや緊急時の通話接続、商品の注文受付、英語での応対などを行う業者もあります。
電話代行専門業者以外にも秘書代行業者やコンサルティング会社、コールセンターなどがサービスを行っています。
電話代行サービスを利用することのメリット
メリット① 人件費の削減
電話番を雇用し、教育するための費用と手間、時間を削減します。
メリット② 電話対応のストレス軽減
電話対応が苦手な方にとって、1日に何度も電話対応するのは大きなストレスです。苦手な電話対応をオペレーターが代行してくれるので、ストレスから解放されます。
メリット③ 業務の効率アップ
かかってくる電話に対応するために、業務を一時中断する必要がなくなります。業務に集中できるので、時間効率のアップや生産性の向上にもつながります。
メリット④ 電話の取りこぼし削減
商談中や移動中、作業中にかかってくる電話に出られないことがあります。電話代行サービスを利用していれば、どのようなタイミングでかかって来る電話にも対応が可能です。
電話の取りこぼしによるビジネスチャンスの喪失を防ぎます。
電話代行サービスを利用することで生じるデメリット
オペレーターは顧客からの問い合わせに丁寧に応対してくれるのですが、自社の社員とは違い業務内容は把握していません。
そのため問い合わせに対して何らかの回答、もしくは作業が必要な場合には、自社の社員のように自分で考えて対応することができません。
オペレーターから連絡を受けてからとなるので、対応するまでに少し時間がかかります。
電話代行サービスを利用する前に確認しておくべきポイント
電話代行サービスの契約、導入までに確認しておくべきポイントが7つあります。
確認ポイント① 導入費用・月額料金
電話代行サービスは導入費用・月額料金や利用できるサービス内容が、サービスを提供する業者により違いがあります。
業務スタイルや事業規模に合った、料金設定のサービスを選択することが重要です。
確認ポイント② コール数
電話代行サービスの料金プランはコール数の上限があり、その上限を超えると超過料金が発生します。コール数の超過は、予算がオーバーする原因の1つです。
電話代行を依頼する予定の番号にかかる1月当たりのコール数を把握したうえで、対応できるプランを選びましょう。
また、コール数が超過した場合に追加料金がどの程度かかるのかも、事前に確認しておきましょう。
確認ポイント③ サービス内容の確認
使いたいサービスが予算内で提供されているか、確認しましょう。予算内のプランを選んでも、使いたいサービスがないプランだと本末転倒です。
使わないサービスが含まれている場合には経費の無駄になります。
確認ポイント④ 対応品質
電話代行を依頼する側は、すべてのオペレーターがビジネスマナーを熟知し礼儀正しく応対してもらえるものと思いがちです。
代行業者のホームページでは高品質な電話応対を謳っていますが、業者によってオペレーター教育には差があるので対応品質にも違いがあります。
口コミなど客観的評価も確認して選ぶようにしましょう。
確認ポイント⑤ 対応できる範囲
電話代行サービス業者(オペレーター)は、電話の取次ぎを委託した社外の人間です。電話応対の基本技術は身に着けていますが、依頼主の行っている事業内容や専門知識はありません。
そのため商品やサービスに関する問い合わせに、社員と同じように説明や対応をすることは出来ません。契約をする前にオペレーターの対応範囲はどこまでか、自分の希望とどれくらいの差があるのか具体的に確認してきましょう。
確認ポイント⑥ 電話内容の報告方法
応対した電話の内容を報告する手段も、業者ごとに違いがあります。主な報告手段には以下のようなものがあります。
- 電話・留守番電への吹き込み
- メール
- チャットツール
- 専用システムで連絡
自身の業務スタイルと照らし合わせて、あなたの使いやすい報告方法に対応しているサービスを選びましょう。
確認ポイント⑦ 電話番号貸し出しサービスの有無
代行業者によっては電話番号貸し出しサービスを行っている会社もあります。まだ固定電話を設置していない場合には、設置にかかる費用をおさえることができます。
また、事業拡大などに伴う移転をしたときには、電話番号の変更をする必要がありません。
転送電話サービスでできること
転送電話サービスは事業所の固定電話のかかる着信を、登録している番号へ転送するサービスです。
電話代行サービスとは異なり、オペレーターを介さず機器で直接あなたの持つ携帯電話へ通話を転送します。
電話転送のメリット
メリット① 電話番を置く必要がなくなる
電話番を雇用する必要がなくなるので、人件費がおさえられます。
メリット② ビジネスチャンスの取りこぼしを防げる
固定電話のそばに電話番がいなくてもかかってくる電話を転送し、取りこぼしによるビジネスチャンスの損失を防ぐことができます。
メリット③ 顧客との信頼関係が築ける
直接電話対応できることから素早い対応ができ、顧客との信頼関係の向上にもつながります。
転送電話のデメリット
デメリット① 電話を転送するので通話料がかかる
利用する転送電話サービスによっては、転送された電話を受けられなくても通話料がかかることがあります。
デメリット② いつでもどこでも電話対応をする必要が生じる
電話対応が難し移動中や商談中でも電話が転送されるので、電話対応が難しい状況にストレスを感じる場合があります。
電話代行サービス・転送電話サービスがおすすめな方を比較
電話代行サービスと転送電話サービスにはどちらも、電話の取りこぼしを防ぎビジネスチャンスをつかむという導入目的があります。
しかし、サービスの内容が異なるので、できることにも違いがあります。
代行電話がおすすめな方 | 転送電話がおすすめな方 |
---|---|
外出や出張の予定が多い方。 ひとつひとつの業務を集中して行いたい方。 仕事とプライベートな時間をはっきり区別したい方。 電話対応することにストレスを感じる方。 メールより電話対応を好む取引先が多い方。 電話対応のために、スタッフを雇う予算的余裕のない方。 | 顧客とのつながりを大切にする方。 電話対応がストレスでない方。 電話対応のために、スタッフを雇う予算的余裕のない方。 |
代行電話がおすすめな方 | 転送電話がおすすめな方 |
---|---|
外出や出張の予定が多い方。 ひとつひとつの業務を集中して行いたい方。 仕事とプライベートな時間をはっきり区別したい方。 電話対応することにストレスを感じる方。 メールより電話対応を好む取引先が多い方。 電話対応のために、スタッフを雇う予算的余裕のない方。 | 顧客とのつながりを大切にする方。 電話対応がストレスでない方。 電話対応のために、スタッフを雇う予算的余裕のない方。 |
まとめ
携帯電話の普及により固定電話の存在意義は大きく変わりましたが、ビジネスシーンでの存在意義は変わることなく存在しています。
固定電話があることで社会的信用が増すほかに、金融面でのサポートが受けやすくなりビジネスチャンスをつかみやすくなるからです。
しかし、固定電話での顧客対応いかんによっては、顧客からの信頼を失いビジネスチャンスを逃す可能性もあります。
個人事業主は複数の業務を1人で行う必要があり、日常的に業務に追われています。電話対応のために営業や出張などの外出を避けることもできませんし、電話対応できないことでビジネスチャンスを逃すことも避けなければいけません。
そのような固定電話のデメリットを補うために、電話代行サービスや転送電話サービスを利用しビジネスチャンスをつかみに行ってはいかがでしょうか。
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