これから起業を考えている方も多いことでしょうが、ビジネスをスタートする準備は整っていますか？
ビジネスを始めるための必要な環境として、現代ではインターネット回線や固定電話回線が不可欠であり、特にビジネスの信頼性に直結するのが「電話番号」です。
最近ではビジネスにLINE通話を活用する会社もありますが、携帯電話番号やLINEはプライベートのイメージがあり、ビジネス上で信頼を得るのが難しい可能性があります。
一方で、固定電話の番号は企業としての信頼性が高く、ビジネスに適していると言えるでしょう。
しかし、固定電話は工事が必要で初期費用も高いというイメージがありますが、「電話番号のレンタル」という方法についてご存知でしょうか？
そこで本記事では、レンタル電話番号の具体的なサービス内容、利用シーン、メリット・デメリット、取得方法などについて詳細に解説します。
固定電話番号はレンタル可能！
ビジネスにおいて、固定電話は企業の信頼性を高めるために不可欠です。特に起業する際には、必須アイテムと言えるでしょう。
しかし、固定電話を設置するには専用回線を引く工事を行う必要があり、その初期コストや手間が悩みの種になることがあります。
そこで、おすすめする方法が「レンタル電話の利用」です。これを利用すれば、固定電話回線を引くことなく固定電話の番号を手に入れることができ、企業の信頼性を向上させることができます。
このレンタルした電話番号は、会社の番号としてパンフレットやホームページなどに掲載して活用することも可能です。
レンタル電話番号サービスは、固定電話番号の取得が難しい場合や、ビジネスで追加の電話番号が一時的に必要な場合など、さまざまなニーズに対応しています。
レンタル電話番号の活用例
固定電話番号のレンタルは、以下のようなさまざまなシチュエーションで活用されています。
- 顧客からから信頼を高めるために固定電話番号が必要な場合
- 新規のプロジェクト用に専用の電話番号を取得したい場合
- 新しい部署専用の電話番号が必要な場合
- レンタルオフィスやバーチャルオフィスで専用の電話番号が必要な場合
- 展示会、移転・引越し作業、イベントなどの問合せ窓口として利用したい場合
- ネットショップ専用電話番号が欲しい場合
- 選挙事務所や工事現場事務所に固定電話番号が必要な場合
- ファンクラブ専用電話番号が欲しい場合
この他にもレンタルした電話番号を活用することができますが、いずれの場合も回線工事などをせずに手軽に電話番号が欲しい場合に活用できるでしょう。
レンタル電話番号の利用がおすすめの方
固定電話番号のレンタルについて活用例をご紹介しましたが、具体的にどのような方に適したサービスなのでしょうか。
挙げられるレンタル電話番号のおすすめユーザーとしては、以下の通りです。
- 固定電話の電話番号がない方
- 電話番号を知られたくない方
- 個人事業主やフリーランスの方
- コンシューマーサービスなどで問い合わせが多い方
各おすすめユーザーがどのような内容なのか、以下順にご説明します。
固定電話の電話番号がない方
起業したばかりで固定電話番号が必要な場合、電話番号のレンタルサービスがおすすめです。
固定電話回線の設置には工事や経費が必要ですが、電話番号のレンタルサービスの利用により低コストで番号を取得できます。
電話番号を知られたくない方
自宅に固定電話があっても、それはプライベートの電話番号として使い、仕事用には別の固定電話番号を使いたい場合、電話番号のレンタルサービスが役立ちます。
新しい固定電話番号を取得することで、仕事とプライベートを区別することができます。
個人事業主やフリーランスの方
多くの個人事業主やフリーランスがレンタル電話番号を利用しています。
借りた番号は会社の公式文書やホームページ、名刺などに記載でき、会社の信頼性が向上します。
また、仕事に忙しい個人事業主やフリーランスは電話に対応する時間が限られていますが、固定電話番号のレンタルサービスと一緒に電話代行サービスを利用するのも良いでしょう。
オペレーターに電話対応を任せることができ、業務に集中できるため効率的に仕事を進められます。
コンシューマーサービスなどで問い合わせが多い方
ネットショップなどを運営していると、お客様からのお問い合わせが増えるため、お問い合わせの専用電話番号を持つと便利です。
そのような場合にも、電話番号のレンタルサービスが役立ちます。
また、個人でネットショップを運営する場合、電話対応から受注、発送などさまざまな業務をこなさなければならないため、電話番号のレンタルサービスと電話代行サービスを併用することで、業務の効率化が図れます。
レンタル電話番号の取得方法
電話番号をレンタルするには、どのような方法があるでしょうか。ここでは代表的な取得方法を以下3つ紹介します。
- 固定電話機のレンタル
- クラウドPBXの利用
- 電話代行サービスの利用
各方法がどのような内容なのか、以下順にご説明します。
固定電話機のレンタル
固定電話番号をレンタルするには、まず、ビジネスフォンを借りることが挙げられます。
ビジネスフォンのレンタルでは、新しい電話回線を申し込んだり、設置工事を手配したりする手間が省けます。つまり、ビジネスフォンと電話回線がセットで提供されることが一般的です。
また、レンタルはリース契約よりも短期間で利用できます。
さらに、レンタルするにあたって審査が不要なため、新しく起業したばかりでリース契約の審査に不安がある場合や、ビジネスフォンを試しに使ってみたいと思っている場合に適しています。
一方で、新品のビジネスフォンを希望する方や、長期間の利用を考えている方には、リース契約がおすすめです。
クラウドPBXの利用
クラウドPBXを活用する方法もあります。クラウドPBXとは、PBX（主装置）をクラウド上に設置し、インターネットを利用して電話機能を利用するサービスです。
このサービスの利用では、電話回線の導入工事やビジネスフォンの購入が必要ありません。
スマホとインターネット回線があれば、自宅や外出先からでも、事務所の固定電話番号としての受電や発信が可能です。
ただし、現在は市外局番を使用する場合、終端装置を設置することが電気通信事業法で義務付けられています。また、2022年に経過措置が終了しているため、この規定には注意が必要です。
現時点で050番号は終端装置なしで導入できますが、今後特殊詐欺などの悪用が増えると、将来的に規制が改正される可能性もあります。
電話代行サービスの利用
電話代行会社が提供するサービスには、固定電話番号のレンタルもあります。
このサービスは、通常のビジネスフォンの貸出とは異なり、電話機のレンタルは不要です。代わりに、電話代行会社が電話回線と番号の取得を手配します。
レンタルした番号にかかってきた電話は、電話代行会社の受電スタッフが対応するため、営業電話や迷惑電話などの対応について心配する必要がありません。そのため、業務に集中できるということがメリットです。
レンタル番号と電話代行のサービスをセットで組み合わせると、従業員を雇わなくても、いつでも事務所の電話に出てもらえるという安心感があります。
このため、起業したばかりでも、しっかりとした丁寧な電話応対ができる会社というイメージを築くことができます。
電話代行サービスは、手間を省きたい人や、電話の受付業務を外部に任せたい人に適していると言えるでしょう。ただし、このサービスにはもちろん一定の料金がかかります。
また、電話代行サービスの欠点は、レンタルした電話番号からの発信ができないことです。発信が必要な場合は、法令上、事務所に終端装置を設置する必要があります。
レンタルオフィスやシェアオフィスが同様の貸出サービスを提供している場合もあります。
レンタル電話番号のメリット3つ
固定電話番号をレンタルすることでどのようなメリットが期待できるでしょうか。主なメリットとしては以下3つ挙げられます。
- 初期費用と時間を削減できる
- 短期間での利用が可能
- 信頼度が高まる
各メリットがどのような内容なのか、以下順にご紹介します。
初期費用と時間を削減できる
固定電話番号のレンタルは、固定電話機の購入費用や施設設置負担金がかからないため、初期費用を抑えられます。
一方、電話回線を敷設する場合には、電話加入権や電話機の購入、契約金、工事代などの大きな初期コストが発生します。
さらに、工事完了まで1週間以上かかることもあり、事業に集中したい経営者にとっては負担になることがあるでしょう。
レンタル電話番号は、固定電話回線導入にかかる費用と時間を同時に削減できることがメリットです。
また、秘書による電話代行サービスを併用することで、人件費やスタッフの教育にかかる費用も節約できます。
短期間での利用が可能
短期間で利用できることもメリットです。
リースや購入よりも安価であり、期間限定で固定電話番号が必要な場合や、長期的に使用するかどうかがわからない場合、使い勝手が良い方法と言えます。
ビジネスフォンをリースすると、年単位での利用が必要であり、原則、途中解約は出来ません。
購入する場合は、リースのように年単位の契約といった縛りはありませんが、コストがかなりかかります。
信頼度が高まる
顧客の立場に立つと、レンタルオフィスの住所などがわかると、携帯電話番号よりも固定電話の06や03から始まる電話番号の方が信頼でき、安心して問合せができます。
携帯電話からかかってくる電話は怪しいと思われることもあるため、ビジネスでの電話でのやりとりが増える場合には、固定電話番号を取得することが重要です。
ビジネスを行う上で、固定電話の有無は信頼度に直結します。特に起業直後や個人事業主の場合は、信頼性が新規の仕事を受けるかどうかに影響することもあるでしょう。
さらに、固定電話はオフィスを持って活動している証ともなります。オフィスを持たずにビジネスを行っていると、相手に不安を与える可能性があり、新規の相談が減ることも考えられます。
このような理由から、ビジネスの信頼性を高めるためには固定電話番号の取得が必要です。
また、03から始まる主要都市の電話番号を取得することで、取引先に対して大きな信頼性を示すことができます。
レンタル電話番号のデメリット2つ
固定電話番号のレンタルにおけるメリットについてご紹介しましたが、一方でデメリットも存在します。固定電話番号のレンタルにおけるデメリットとしては以下の2つが挙げられます。
- 月額使用料が割高
- サービスによって制限がある
各デメリットがどのような内容なのか、以下順にご紹介します。
月額使用料が割高
固定電話番号のレンタルは、前述したように初期費用は抑えられますが、月額費用は高くなります。そのため、長期にわたりレンタルする場合、購入よりも総費用が高くなる可能性があります。
また、電話番号を持つためには契約が必要となるため、それに伴う費用も必要です。
特に事業を始めたばかりでコストを抑えたい場合、レンタルは不向きかもしれません。
毎月の支払いが必要なので、予算面でも慎重に考える必要があります。
サービスによって制限がある
ビジネスフォンを借りる際、通常は中古の電話機器が提供されます。
レンタル会社が所有する機器から選択することになり、機種の選択は原則的に認められないため、新しい機種を使用したい場合には対応できません。
クラウドPBXを利用する場合、固定電話番号は050-や0120-の番号から選択することになります。
電話代行の場合は、レンタルした番号からの発信通知ができない場合があります。
このように各サービスにはそれぞれ制限があることを覚えておきましょう。
固定電話番号の種類
固定電話番号には、主に以下の3種類あります。
- 0AB-J番号（03番号・045番号・06番号など）
- 050番号
- 0120/0800番号
取得できる条件などは、回線キャリアによって異なりますので、利用を検討する際は各キャリアに問合せてください。
0ABJ番号（03番号・045番号・06番号など）
0ABJ番号は、03-や045-などの市外局番から始まる電話番号です。
0ABJ型の電話番号は、必ず0から始まり、それ以降は9桁の数字が続きます。
これは”0A-BCDE-FGHJ”と表すことができ、0ABJ番号はその省略した呼び方です。
これらの番号は信頼性が高いとされており、新しい事業を始める際には、代表番号として0ABJ番号を選ぶ傾向があります。
ただし、0ABJ番号を取得するには、その市外局番の地域に住所があり居住しているか、事業所が存在する必要があります。
そのため、番号の取得に際し、免許証、謄本などの証明書の提出が必要です。
050番号
050番号は、050-から始まるIP電話の番号です。インターネット回線を使用するため、取得コストが低いのが魅力です。
さらに、全国どの地域でも取得できるため、事務所を異なる市外局番の地域に移転しても、電話番号の変更は必要ありません。
しかし、0120-、0800-、0570-から始まる番号や、110、119、117のような緊急通報への発信はできません。
0120/0800番号
0120/0800番号は、0120などから始まる電話番号であり、一般的にはフリーダイヤルと呼ばれています。
この番号に発信しても、通話料は発信者に課金されず、すべて着信先に課金されます。
フリーダイヤル番号は主に顧客からの問合せ窓口や通販の注文受付窓口などで利用されており、一般家庭では使用されません。
また、0120番号を取得するには他の固定電話番号を取得した後に、取得する必要があります。
まとめ
起業する際、固定電話番号を取得しない方もいますが、初めて会社と接する際には固定電話番号の有無が信用度に影響することがあります。
固定電話番号の取得や工事は手間がかかるかもしれませんが、レンタルなら手軽に取得できます。
レンタル番号の利用には、メリットだけでなく、デメリットも存在しますが、自社に適した方法や業者を見つければ、料金や時間を節約しながら業務の効率化を図ることが可能です。
ビジネスで重要な役割を担う電話は信頼性に影響します。
電話番号レンタルや電話代行のサービスをうまく活用することで、信頼性が向上し、事業主はより安心して事業に集中できるでしょう。
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